これまでに、こちらのブランドを立ち上げる前から、別の個人ブランドやケータリング専門会社のリードバリスタとしてコーヒーのケータリングに携わってきました。
その中で、コーヒーの焙煎も行いながら、どのようなコーヒーがどんな場面で好まれるのかを検証してきましたが、店舗でバリスタの活動をしていた時とは違う発見がありました。
少し前から、日本でのコーヒーショップは浅煎りのコーヒーを提供するお店がかなり増えてきました。
理由の一つとして、農家の方が作るコーヒーチェリーのクオリティが大幅に上がっていること、そこから取れる個性豊かなコーヒーの味を作り出すコーヒー豆を、なるべくそのままの味で提供したいという想いがあると思います。
日本における、チェーン店や喫茶店、スーパーで購入できる豆は、苦味が強い深煎りが多いですが、深く焼くと良い意味でも悪い意味でも個性が弱くなり、苦味の強い味になりやすいです。
私はどちらも好きで、夏になるとスッキリめの浅煎りを、冬になるとコクや甘さのある深煎りのコーヒーを飲むのが好きです。
私は、数年前までは、浅煎りを提供するコーヒー屋で何店舗か働いていましたが、朝の時間帯や土日はとても混雑していて、中にいるバリスタも、日本でも浅煎りがメジャーになってきていると考えている人はとても多くいるように感じました。その流れでケータリングを始めたので、私も初めのうちは浅煎り〜中煎りをメインに、浅煎りが苦手な方用に少量の中深煎り〜深煎りを持って現場へ行ってました。
結果的には、酸味が苦手、酸味はなるべく少ない方が良い、コーヒーを飲みたい=苦味を求めている、という声が圧倒的に多く、深めの豆が圧倒的に人気でした。
しかし、あるファッション系のイベントでは、比較的浅煎りの豆を好む方が3〜4割ほどと比較的多いように感じました。

その後も実験的にさまざまな現場で好みを聞きながら統計を取ってみましたが、40代以上の方は全体的に苦味の強いコーヒーを好み、トレンドを追うような業界の方や、若い方は浅煎りが好きな方が比較的多くいるように感じました。
しかし、全体で見ると、苦いコーヒーが好きという方が8割ぐらいかと思います。
浅煎りのスペシャルティコーヒーが日本にも多く普及してきたとはいえ、まだまだコーヒー=苦味のあるもの、眠気覚ましで飲むもの、という認識が強いのではないかと思います。
酸味のあるコーヒーは、普段飲み慣れているコーヒーと味が違いすぎていたり、飲まず嫌いなところはあるのかなと思います。
バリスタによっては、無理やり浅煎りを飲んでもらうように進める方もいますが、私としては、好きなものを好きなように飲むのが良いのではないかと思っています。
とは言っても、豆による個性は少し残したいという想いもあるので、今では、深すぎず、浅すぎずの、絶妙なラインで焙煎した豆を、バランスよく抽出する方向で提供しています。
そこから興味を持った方には、近くにある浅煎りの美味しいコーヒーショップを紹介するようにしています。
海外の方も国によって好きなコーヒーの味が違うので、ケータリングはその点、豆の選択と抽出による味のコントロールが必要な仕事だと感じています。